このインタビューは、フランスの映画雑誌「POSITIF」(2002年4月号)に掲載されたものです。日本のブロガーさんが日本語に翻訳してくださった&003ですが、関連部分を英訳してみました。二重訳でわからなくなった部分もあるかもしれませんが、要点は同じです。ところで、すべてを飲み込む生物「カオナシ」はどこから来たのでしょうか?あと、この映画で気づいたんですが、薫梨もボーもちひろの両親もみんな過食にこだわっているんですよね
宮崎駿さん。それはそうですね。このキャラクターたちの性格は欠点だらけです。友人の二人の娘のために作った映画です。ちひろさんと同じく、彼女たちも10歳。「善と悪の戦い」みたいなものを 見せたくなかったんです。世界の真実を見せたかったんです。若い子たちが「善悪」を二元論のような単純なものとして捉えていないとしたら、それは世界の中で自分たちで発見していかなければならないことだと思います。過食については、昔、「バベットの饗宴」&003を見ました。とても美しくて楽しい映画です。あの映画では、登場人物たちもよく食べていますよね。バベットのごちそう」は重要なヒントになったのかもしれませんね。
「かおなしさはみんなの中にある。宮崎駿の言葉です。薫梨はお金で人の気を買えない。ましてや、人の心を掴む方法を知らない。薫梨は、ちひろの欲望のなさに苛立ち、「欲しい」と言う。これも資本主義の必然である。薫梨が金を配るときに群がる人たちと、金や食べ物を欲しがらない千尋の悟りの無さとの対比がある。それに対する彼女の決意は、冷たくさえ思えるほど強い。ハクを助ける理由は何もなかった。"欲しいものは渡さない “とハッキリと薫梨に言っている。